InstagramやFacebookを「お店の集客」に使いたいとき、最初の壁になるのが初期設定です。個人アカウントのままでは広告が出せず、分析もできません。そこで必要になるのが Meta Business Suite(メタ ビジネススイート) という無料の管理ツールです。
以前は「METAビジネスサイト」「ビジネスマネージャー」と呼ばれていましたが、現在は Meta Business Suite に統一され、その中で ビジネスポートフォリオ を管理する形になりました。名称が変わっただけで、やることは「会社用の管理アカウントをつくり、Instagram・Facebook・広告アカウントをひも付ける」ことです。
この記事では、PCでの作成手順を中心に、Instagramのプロアカウント切り替え、Facebookページ作成、広告アカウント設定までを、初めての方でも迷わないように順番に解説します。所要時間は30〜60分ほど。つまずきやすいトラブルと解決方法も最後にまとめました。
この記事の要点
- 管理の土台は「Meta Business Suite(ビジネスポートフォリオ)」を1つつくること - Instagram・Facebook・広告アカウントは、すべてこの土台に追加して管理する - 初期設定は無料。費用がかかるのは広告を出稿してから
METAビジネスサイトとは(Meta Business Suite)
Meta Business Suiteは、FacebookとInstagramを1か所でまとめて管理できる無料ツールです。以前は別々の画面で管理していた投稿・分析・広告を、ひとつの管理画面に集約できます。
ビジネスで使うメリット
- 一元管理:FacebookとInstagramの投稿を同時に管理できる
- 投稿予約:あらかじめ投稿を準備して自動投稿できる
- 分析機能:フォロワーの動向や投稿の反応を数字で確認できる
- 広告作成:Facebook・Instagram向けの広告を作成・配信できる
- 複数人で管理:スタッフや代理店に権限を分けて安全に運用できる
個人アカウントでは使えない機能
個人アカウントのままでは、ビジネスに必要な次の機能が使えません。
- 詳細な分析データの閲覧
- 広告の作成・管理
- 投稿の予約機能
- ビジネス向けの連絡先表示
- ショップ機能の利用
「まずは無料で始めて、必要になったら広告を出す」という進め方ができるのが、ビジネスサイトの利点です。
事前に準備するもの
作成を始める前に、次のものを手元に用意しておくとスムーズです。
必要なもの一覧
- Facebookの個人アカウント(必須・無料)
- ビジネス用のメールアドレス(推奨)
- 電話番号(SMS認証用)
- 会社・店舗情報(事業名/住所/電話番号/ウェブサイトURL)
- プロフィール用の画像(ロゴなど。正方形がおすすめ)
ロゴがまだない場合は
プロフィール画像・カバー写真は、後から差し替えられます。ロゴの新規制作が必要な場合は、デザイン制作のご相談も承っています(デザイン制作)。
METAビジネスマネージャーの作成手順(PC版)
ここからは、PCのブラウザでの作成手順です。スマホでも作れますが、画面が小さく入力ミスが起きやすいため、PCでの作成をおすすめします。
METAビジネスサイトにアクセス
- ブラウザで
https://business.facebook.com/にアクセスします - Facebookの個人プロフィール、または管理対象のMetaアカウントでログインします
- 左上「ホーム」の下にあるドロップダウンから「ビジネスポートフォリオを作成」を選びます
以前の資料にある「新しいアカウントを作成」というボタンは、現在は「ビジネスポートフォリオを作成」という文言になっています。ここが最初のつまずきポイントなので注意してください。
ビジネス情報の入力
- ポートフォリオ名:正式な会社名・店舗名(特殊文字は使えません)
- あなたの名前:管理者の氏名
- ビジネス用メールアドレス:ビジネス用のアドレスがおすすめ
Facebookの個人プロフィールでログインした場合は氏名とビジネス用メールの入力が必要ですが、管理対象のMetaアカウントでログインしている場合は不要です。入力できたら「作成」を押します。
個人で作成できる数には上限があります
ひとりで作成できるポートフォリオは最大2つまでです。すでに別の用途で作成済みの場合は、既存のものに追加できないか検討しましょう。
メール認証
入力したメールアドレスに認証メールが届きます。メール内の「認証する」ボタンを押せば認証完了です。届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認してください。
ビジネスマネージャー完成
認証が完了すると、ビジネスポートフォリオ(旧ビジネスマネージャー)のダッシュボードが表示されます。ここが、以降のすべての作業の拠点になります。
METAビジネスマネージャーの作成手順(スマホ版)
スマホのブラウザからも作成できますが、PC版での作成を強くおすすめします。理由は次のとおりです。
- 画面が小さく操作しにくい
- 一部の機能が制限される場合がある
- 入力ミスが起きやすい
どうしてもスマホで作成する場合は、スマホのブラウザ(SafariやChrome)で business.facebook.com を開き、「デスクトップサイトを表示」を選んでから、PC版と同じ手順で進めましょう。
作成後の日々の管理には、専用アプリ「Meta Business Suite」が便利です。iPhoneはApp Store、AndroidはGoogle Playで「Meta Business Suite」と検索してインストールできます。
Instagramビジネスアカウントの作成・連携
次に、Instagramをビジネス用(プロアカウント)に切り替えます。すでにInstagramを使っている場合は、そのアカウントを切り替える形でOKです。
プロアカウントへの切り替え
- Instagramアプリでプロフィール画面を開く
- 右上のメニューから「設定とアクティビティ」を選ぶ
- 「プロフェッショナル向け」の中の「アカウントの種類とツール」をタップ
- 「プロアカウントに切り替える」を選ぶ
以前の資料にある「設定 → アカウント → プロアカウントに切り替える」という順番は、現在のアプリでは「設定とアクティビティ → プロフェッショナル向け → アカウントの種類とツール」に変わっています。
アカウントタイプの選択
プロアカウントには「ビジネス」と「クリエイター」の2種類があります。店舗・企業であれば「ビジネス」を選び、業種カテゴリを選んで「次へ」を押します。連絡先情報は任意で入力できます。
ビジネスマネージャーとの連携
切り替えたInstagramアカウントを、先ほど作成したポートフォリオにひも付けます。管理画面で「アカウント」→「アセットを追加」→「Instagramアカウント」の順に選び、案内に従って連携します。PCのブラウザ(instagram.com)でも詳細設定ができます。
Facebookビジネスページの作成・連携
Instagramと並んで必要なのが、Facebookの「ビジネスページ」です。個人アカウントとは別に作成します。
個人アカウントとビジネスページの違い
| 項目 | 個人アカウント | ビジネスページ |
|---|---|---|
| 目的 | 友達との交流 | ビジネス利用 |
| 名前 | 実名のみ | 会社名・商品名も可 |
| 管理者 | 自分のみ | 複数人で管理できる |
| 広告機能 | なし | あり |
| 分析機能 | なし | あり |
ページの作成
- Facebookにログインし、左メニューの「ページ」を開く
- 「ページとプロフィール」の下の「新しいページを作成」を選ぶ
- ページ名・カテゴリなどを入力して「ページを作成」を押す
作成後は、プロフィール写真(ロゴや店舗外観・正方形推奨)と、基本データ(住所・電話番号・営業時間など)を設定します。カバー写真の推奨サイズは、公式に明確な記載が確認できないため、公開前に最新の公式情報を確認してください。
ビジネスマネージャーとの連携
作成したページをポートフォリオに追加します。管理画面で「アカウント」→「アセットを追加」→「ページ」を選び、作成したページを検索して追加し、管理権限を設定します。
META広告アカウントの作成・設定
ここまでで「発信する場所」が整いました。最後に、有料広告を出すための「広告アカウント」を設定します。
広告アカウントの作成
Facebookに登録すると、既定の広告アカウントが1つ付与されます。初回の支払いが完了するまでは広告アカウントは1つに制限され、支払い完了後に追加できるようになります。追加分はビジネスポートフォリオの中で作成します。
支払い方法の設定
広告を出稿するには、Facebookページの管理者・編集者・広告管理者の権限と、有効な支払い方法が必要です。支払い方法には、クレジットカード・デビットカード、PayPal、銀行口座(月極の請求書払いは条件あり)などがあり、国・通貨・設定によって異なります。
時間帯と通貨の変更は「作り直し」です
広告アカウントの時間帯・通貨は後から変更できますが、変更すると既存の広告アカウントは恒久的に閉鎖され、配信の停止・再開ができなくなります(新しいアカウントが作成されます)。最初に「日本時間(Asia/Tokyo)」「日本円(JPY)」を選んでおきましょう。
広告マネージャーの基本設定
広告の作成・管理は「広告マネージャー」で行います。初期設定では、次の3つを整えておくと安心です。
- 権限の設定:スタッフや外部パートナーへの権限付与
- 計測の設定:コンバージョン計測(旧Metaピクセルは現在「データセット」として管理)
- オーディエンスの作成:配信対象の設定
初回広告作成の準備
初めて広告を出す前に、次を準備しておきましょう。
- クリエイティブ:画像または動画(推奨サイズ・文字数は記事④で詳しく解説)
- ランディングページ:広告をクリックした後の遷移先(スマホ表示の確認も)
- 広告の目的:認知度向上か、問い合わせ獲得か、など
計測の設定もあわせて
広告の効果を正しく測るには、アクセス解析(Googleアナリティクス)の設定も有効です。手順は記事「Googleアナリティクス(GA4)の設定方法と使い方」で解説しています。
初期設定のポイント(セキュリティ・プロフィール・プライバシー)
初期設定で見落としがちなのが、セキュリティとプロフィールの整備です。ここを整えると、運用がぐっとラクになります。
- 二段階認証:ポートフォリオ作成から90日未満は任意ですが、90日を過ぎると自動的に必須になり、オフにできなくなる場合があります。早めに設定しましょう
- 強力なパスワード:使い回しを避け、定期的に見直す
- ログイン通知:不審なログインに気づけるようにする
- Instagramプロフィール:プロフィール写真・ユーザーネーム・自己紹介文・リンク(公式サイトやLINE)を整える
- Facebookページ:カバー写真・基本データ・「予約する」「連絡する」などのCTAボタンを設定する
- 投稿とプライバシー:コメント制限、営業時間外の自動返信などを設定する
よくあるトラブルと解決方法
| 症状 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| メール認証が届かない | 迷惑メールに振り分け | 迷惑メールフォルダを確認し、ドメイン許可を設定 |
| ユーザーネームが使えない | すでに使用されている | 数字やアンダースコアを加えて変更 |
| プロアカウントに切り替えられない | 年齢制限・規約違反 | 生年月日の確認、規約の遵守を確認 |
| ポートフォリオに追加できない | 権限不足・すでに他で管理 | 管理者権限の確認、重複登録の確認 |
| 広告アカウントが作成できない | アカウント制限・本人確認未完了 | 本人確認書類の提出、規約の確認 |
| 支払い方法が追加できない | カード情報の誤り・制限 | カード情報の再確認、別の支払い方法を試す |
運用開始後に「広告が承認されない」「費用対効果が悪い」といった場合は、まず広告ポリシーの確認と、ターゲティング・クリエイティブの見直しを行いましょう。アカウントがロックされたときは、本人確認書類の提出と、ヘルプセンターからの異議申し立てを行います。
まとめ|設定完了後のチェックリスト
ここまでの設定が終わったら、最後に次の項目を確認してください。
- Meta Business Suite(ビジネスポートフォリオ)の作成
- Instagramプロアカウントへの切り替え
- Facebookビジネスページの作成
- 両アカウントのポートフォリオへの連携
- META広告アカウントの作成・設定
- 支払い方法の登録
- プロフィール情報の設定
- セキュリティ設定(二段階認証など)
- プライバシー設定の調整
設定が終わったら、投稿の計画づくりに進みましょう。最初の1か月は、プロフィールを完成させ、自己紹介投稿とサービス紹介を数本出し、ストーリーズを週2〜3回投稿する程度からで十分です。
広告で集客を本格化する段階では、ターゲット設計やクリエイティブの改善が必要になります。KIKI designingでは、META広告の設計・運用改善から、ロゴ・プロフィール画像の制作まで対応しています。
- 集客導線の設計・広告運用:META広告の設計・運用改善
- ロゴ・プロフィール画像の制作:デザイン制作
- 効果測定の設定:Googleアナリティクス(GA4)の設定方法
更新版PDF|METAビジネスサイト初期登録チェックリスト
この記事の手順を1枚にまとめたチェックリストです。
よくある質問
Q. 「METAビジネスサイト」と「ビジネスマネージャー」は何が違うのですか?
現在は管理画面が「Meta Business Suite」に統一され、その中で「ビジネスポートフォリオ」(旧ビジネスマネージャー)を管理する形になりました。名称が変わっただけで、目的は同じです。
Q. スマホだけでも設定できますか?
可能ですが、画面が小さく入力ミスが起きやすいため、PCでの作成をおすすめします。スマホの場合は「デスクトップサイトを表示」を使うとPCと同じ画面で操作できます。
Q. 初期設定にお金はかかりますか?
管理ツール(Meta Business Suite)の作成・利用は無料です。費用がかかるのは、広告を出稿したときの広告費からです。
Q. 広告アカウントは何個まで作れますか?
初回の支払いが完了するまでは1つに制限されます。支払い完了後、ビジネスポートフォリオの中で追加できます。
Q. 時間帯・通貨を間違えました。後から直せますか?
変更は可能ですが、変更すると既存の広告アカウントは恒久的に閉鎖され、配信の停止・再開ができなくなります(新しいアカウントが作られます)。最初の設定時に「Asia/Tokyo」「JPY」を選んでおくのが安心です。
Q. 二段階認証は必須ですか?
作成から90日未満は任意ですが、90日を過ぎると自動的に必須になり、オフにできなくなる場合があります。早めの設定をおすすめします。
Q. 「Metaピクセル」が見当たりません。
旧「Metaピクセル」は現在「データセット」として作成・管理する形になっています。設定画面の「データソース」から確認してください。名称変更の詳細な経緯は、公式の最新情報をご確認ください。
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